公務員、辞めました。
プロフィールの片隅に書いたような、書いてないような気がしますが、ボクは最近まで某政令指定都市の職員だったんです。
2年と少し勤めて退職。その後未経験のインテリア業界に転職をしました。
公務員は定年まで勤め上げる人が多い中、この仕事にそんな価値はねえ!という思いから、半ば勢いで辞めてしまったのが実情です。
公務員を辞めるのは、とーってもカンタン!
退職の1ヶ月前に、上司に「諸事情でやめまっす」と宣誓し、上司も「おっすおっす」って感じで承認し、事務的な手続きをしてジ・エンドです。
まあそこそこ盛ってるけど、概ねこんな感じで、自分の意志が固まっていればあっさりと辞められます。
「嫌なら、逃げて良いんです。」
そんな誰かが言ったような言葉を胸に、ボクは退職しました。
そんなこんなで、初めて仕事のこと、転職のことを記事にしてみようと思います。
いろいろ書きたいことがあるので、いくつかに記事が分かれるかも。
この判断が正しかったか否かは、この際どうでもいいのです。
とりあえず皆さんが見る役所の窓口の向こう側ってこんな感じなんですよっていうのを伝えられればと思います。
今回はざっくりと「公務員」という仕事そのものについての話をしようと思います。
世間の評判と、実際のところ
そもそも、一口に「公務員」と言っても、警察官や消防官だって公務員だし、保育士さんだって公務員だし、電気・機械の整備をする公務員もいます。
おそらく皆さんが俗にいう「公務員」って、「ろくに仕事しないで、定時に帰るくせに給料は良い、役所にいる人たち」がそうなんじゃないかなーって思います。
やっぱり、一般的な世間の公務員像って
・仕事が遅い、杓子定規な対応(お役所仕事)
・定時帰り、残業なし
・将来安定、食いっぱぐれない
こんな感じじゃないですか?
マイナスイメージだったり、妬みの対象にされたりって感じですよね。
ここで、役所に勤めていた身として
「本当は違うんだよ!役所の人も苦労してるんだよ!」
と弁明したいわけではありません。
その通りだと思います。
だって本当に仕事は遅いし
終業の鐘が鳴った瞬間帰る人いるし、
年功序列だからおっさんになれば昇進しなくても給料良いし。
実際にそう言われるところで働いていた人間として、全国の皆さんと同意見です。
もちろんそんなことはわかった上で、就職したんですけれども...
そこで働いているオトナ達は、なんだか自分勝手な人ばかりで...
大学を卒業したての、ひよっ子の意見で恐縮ですが、もう少し立派な大人を見たかったなあってのが正直なところです。
そんな状況だから、ボクは尊敬できる先輩なんてのは一人もいなくて、
どういうモチベーションで、何を目標に働いていけばいいのか、いつまで経ってもわかりませんでした。
(なんか悪口オンパレードみたいになっちゃうんですけど、あくまでボクの周りの話ですので、もっと立派にお仕事されてる方もたくさんいらっしゃいます。そこだけはわかっていてほしいです。)
人気?の職業
就職しといてなんなんですが、なんで「公務員」って人気あるんですかね?
果たして何倍、何十倍の試験をくぐり抜けてまで就く仕事なのか。
最初に言っときたいんだけど、ボクは公務員になりたかった理由は特にないんです。
みんなが就活を始める中、将来やりたいこともないし、ボーっとしていたら大変な時期になっていて
たまたま大学で公務員試験講座をやっていたので、滑り込みで受講した感じです。
正直試験までに間に合うか相当怪しかったし、実際全く間に合わなかったんですが、なぜか筆記試験受かったので問題なし。
面接・論文の対策なんて1mmもしていませんでしたが、中学生の時に培った作文力を生かし、面接は口から出まかせで突破できました。
今思えば就職してからの方がよっぽど問題だらけだったわ。はは。
最初の話に戻って、「公務員」って今の時代もまだまだ人気あるらしいですね。
今の職場の人が言ってましたが、Youtuberに次いで人気の職業だとか。ほんとか?
ぶっちゃけ、公務員は勉強すれば誰でもなれると思います。基本的にはなんの資格もいりません。ボクは漢検3級くらいしか持ってないし、運転免許すら持ってないので。
大事なのは就職してからです。特別な資格はいらない、ノルマもない、でも割と「人を選ぶ仕事」なんじゃないかという印象を抱きましたね。
配属先のこと
ちょっとかじってる人なら知ってると思いますが、公務員はいわゆる「配属ガチャ」があるんですよ。無論、自治体によって違うと思いますが、研修期間が終わって初めて、配属先を言い渡されるのです。本人の希望は99.9%加味されません。本当の意味でランダム。運ゲーってやつね。
市のイベントに携わりたいとか、広報の仕事をしてみたいとか、そんなものは就職してからは関係ないんです。
唐突に「キミ明日から保険の窓口ね」って言われて、よくわからないままに窓口に出て、延々住民の文句を聴くみたいな、不幸な運命も待っています(あくまで例です)。
しかもそういうところにいる職員は、日々そういう目に遭っているので、人間性がぶっ壊れていることが多々あります。
「自分の勤め先が、そういう職場になるかもしれないという危険を孕んでいる」ことは、忘れてはいけないと思います。
どの会社でも、どの部署に飛ばされるかなんてわかんないでしょ、っていうツッコミもあるでしょう。
でも、思っている以上に「公務員になって、こんな仕事するとは思ってもみなかった」っていう声はよく聞いたので 、あえて書きました。
配属先も通常3年周期くらいでコロコロ変わるから、毎回転職みたいなもんですね。
いろんな仕事を経験できる、と言い換えればメリットですが、まあそんなに頻繁に職場が変われば、環境の悪い職場に飛ばされる、つまり地雷を踏む危険性も高まるわけです。
客を選べない、ということ
今でも覚えているんですが、当時大学生で退屈な講義を聞いていたとき、
教授が「市民は自分が行くコンビニも病院も選べるが、役所は選べない」って言ってたんです。
だって自分が住んでいる市区町村、地域でお世話になる役所って決まっているじゃないですか。引っ越しをしたら、その市の役場で住民票を移す手続きをしますよね。
ボクはなぜかこの言葉がずっと頭に残っていて、公務員試験の面接のときも、何かの流れでこのことを話したら、面接官も「おっ、なるほどね〜」と声を上げていました。
でも役所の側からすると、その地域に住む住民であれば、どんな人でも相手をしなきゃいけないってことにもなるんです。
つまり、役所はサービスを提供する市民(客)を選べないんですね。
当たり前なんですが。
公務員だってサービス業です。市民はお客様だし、お客様は神様です。
神がお怒りならそれを放置するわけにはいかないので、ご機嫌伺いをしなければなりません。散々時間をかけてどうでもいい問題のために1日を費やしたりします。
実際に、窓口には本当に様々な事情を抱えた人が来ます。
警察が来たことも1回や2回じゃありません。
それぐらいの問題が普通に起こるのです。
こういうお客さんを選べない仕事って、シンプルに大変だと思いますよ。
今の職場は販売業ですが、お客さんに感謝すらされど怒られたことなんて一度もありません。
こちらから商品の提案をすると、ちゃんと話を聞いて興味を持ってくれる。気に入ってもらえば、気持ちよく買ってもらえる。
こんな普通のことが、なんだかすごく嬉しくて、今のところ転職してよかったと思っています。
働くモチベーション
役所は売上目標とか、ノルマがあるわけではないので、いまいち目標が見えてこないし、誰かの役に立っているという実感もほとんどないです。逆にぼーっと仕事をしたい人、何も考えずに仕事ができる人にはうってつけでしょう。
実際、民間の会社で疲れて、転職してきた人はとても多かったです。
つらつらと書いてきましたが、あくまでボクが働いていた部署では、っていうことが前提になります。
ボクは頭がわるいので、ちゃんとした結論が出せないんですが、
「自分に嘘をついて楽しくない仕事をするより、やりたいことやろう」っていうどシンプルな考えで、次への一歩を踏み出したので、精一杯やりたいことをやっていこうと思います。
おわりに
最後になりますが、いま公務員として働いている人、これから公務員を目指す人の気持ちを否定するつもりは一切ございません。
「自分が納得できればそれでいい」とボクは常日頃考えています。
逆に「自分で選択したくせに文句言ってる」それってやっぱりおかしいと思うんですよ。
ごちゃごちゃ文句を言うくらいなら、行動してみようと、試しに転職してみただけなんです。
次は試験のときの話とか、お給料について書くかもしれません。たぶん。